「伝承することが役割」保戸島ドキュメンタリー上映会に参加しました

 令和6年2月2日(金)、臼杵市の老人クラブ「南津留南寿会」が中心となって開催している「みなみオレンジカフェ」にお邪魔してきました。
まず始めに南津留警察官駐在所の甲斐巡査部長から、特殊詐欺や寒い日の入浴への注意などについてお話がありました。

 


 そしてこの日のメインは、臼杵市老連の老人クラブ「PCみらい」の伊東俊義会長によるドキュメンタリーの上映会です。
 内容は昭和20年7月、伊東さんの出身地である津久見市保戸島で起きた、小学校への爆撃の記憶をまとめたもの。
伊東さんの親戚や関わりのある人々も含めたインタビューから当時の悲惨な光景が目に浮かび、終戦の20日前に起きた惨劇が今も被爆者や遺族の方の心に風化されることなく残っていることが伝わりました。

 約500人の児童が通っていた保戸島小学校は、戦争が進むにつれて新しく造られた軍事施設に挟まれる形で建っていました。小学校が狙われた理由は、敵機が小学校を軍事施設と間違えたからという説があるようですが、真相は定かではないといいます。犠牲となった児童の中には遺体が見つからないままの子もおり、当時小学校5年生だった伊東さんの叔母にあたる方もこの爆撃で「行方不明」となっているそうです。

 この上映会のあとは、現在伊東さんが奥様に指導を受けながら実践中という乾燥野菜についてのお話を聴き、実際に奥様とスタッフお手製の「いものこ団子」をいただきました。乾燥させたサツマイモを製粉化してつくる「いものこ団子」は、ふんわりしたイモの甘みとモチモチな食感がとても美味しかったです 😆
参加者からは「懐かしい」「子どもの頃に食べていた」「あんこが入ったものもあったなぁ」と笑顔が見られました。

 

 「高齢者は昔のことを伝承する役割を持たなくてはいけない」と話す伊東さん。
「昔のこと」とは、戦争の体験だけでなく、食文化や田園風景のことも指します。 
 現代の電子機器機能も扱いながら、昔ながらのことも大切にする伊東さんの活動は、今後も発展が楽しみです。
オレンジカフェの皆さん、伊東さんと奥様、本日はありがとうございました!